伝える方法
茂さん(40代・仮名)は、3年近く付き合った彼氏と別れました。
相手から一方的に切り出された別れで、理由さえも告げられずに、ただ「別れよう」の一言で終わった関係でした。
何が何だか分からない茂さんは、後日、彼氏に電話しようとしますが、着信拒否。
彼氏の自宅マンションに行きますが、不在なのか居留守なのか、応答なし。そもそもオートロックなので、マンション自体の玄関から中に入れません。
たまに、出入りする人に紛れてマンション内に入っても、彼氏の部屋の鍵は変えられていて、以前にもらった合鍵では開きません。
それに、これ以上やるとストーカー呼ばわりされかねない状況に、大人な茂さんは行動を自制しました。
でも、何とか想いを伝えたい。別れた理由を知りたい。
茂さんは、悩んだ末に相談に来られました。
「想いを伝える方法はないでしょうか?返事をもらえなくてもいいのです。私の想いを知ってくれるだけで満足なんです」
茂さんの望みは謙虚なものでした。
『電話もダメ。訪問もこれ以上は無理。直接会ったところで、すぐに逃げられてしまうだろう。追いかけるような事はしたくない。』
そこで、一つ提案をしてみました。
私「お手紙を書いてはどうですか?」
茂さん「配達されても読んでくれるでしょうか?」
私「その保障はありませんが、特殊な手紙なら可能性は有りますね」
茂さん「特殊?内容がですか?」
私「いえいえ、形式です。内容証明郵便です」
茂さん「知ってます。内容証明郵便。面前で郵便局の人が手紙の中身をチェックしますよね。人に見られるのは嫌なんです」
私「電子内容証明郵便をご存知ですか?」
茂さん「何ですか?eメールの内容証明ですか?」
私「通常の手紙ですが、投函がインターネットを通じて出来るんです。だから、面前で郵便局の人の字数などの形式チェックを受けることはありませんよ」
茂さん「それなら利用したいですね。詳しく教えてください」
というような流れで、電子内容証明郵便の作成について依頼されました。
内容証明郵便は、いつ・どのような内容を・誰に送ったかについて、公的な証明力のある郵便です。
茂さんのような例で使用するのは稀ですが、自分の言い分を確かに相手に伝えたい時には、非常に有効な手段です。
通常は契約履行の最後通告的な場合に使用したり、法律上の紛争の入り口で使ったり、クーリングオフの通知に使用したりします。
しかし、内容証明郵便の性質を生かして、様々な活用法があります。
電話やメールの時代ですが、手紙で伝える方法にも色々あるんですね。
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