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2008年11月の記事

2008年11月22日 (土)

カミングアウトの是非

LGBTであることをカミングアウトする人が増えています。

社会的にLGBTの存在がある程度認知されてきたことがその背景にあると思われます。

一言でカミングアウトといっても、その態様はいろいろなものがあります。

カミングアウトする相手が、①親しい友人だけに限られる場合や家族に限定される場合など、自分の周りのごく一部の人にだけカミングアウトするパターン。 ②職場などに対しても広くカミングアウトするパターン。など。

それぞれの環境に応じて、またカミングアウトする必要性に応じて、カミングアウトの範囲を決めているようです。

今回は、職場などへの「社会的なカミングアウト」ではなくて、友人や家族に対しての個人的なカミングアウトについて書きます。

さて、『カミングアウト』をすることが正しいのか悪いのか?

実は非常に難しい問題です。

LGBT当事者自身の心の問題としては、カミングアウトしたことで、隠し事が減り、「スッキリした」という方がほとんどだと思います。

カミングアウトは相手に対して一方的に行うものですが、それを受けた相手にとってはどうなのでしょうか?

実はこれがとても大きな問題なのです。

カミングアウトの相手の反応によって、「カミングアウトに失敗した」とか「カミングアウトしなければよかった」という場合もあります。

突然、思いもよらぬカミングアウトを受けた相手が、どのような反応をするのか。それをよく見極めることも重要なのです。

しかし、これはとても難しいことで、カミングアウトする人は、相手を信じるか、最悪の結果を覚悟するかしてカミングアウトしていることでしょう。

中には、話の流れで、勢いでカミングアウトしてしまったという場合もあるようです。割と、親しい友人に対してはこういうパターンが多いですね。

家族(特に親)に対しては、結婚適齢期にカミングアウトをするという場合が多いようです。

カミングアウトにより生じる最悪のパターンとしては、①相手に拒絶される ②相手にだけカミングアウトしたのに秘密をばらされる ③相手に相当な精神的ダメージを与えてしまう というものが挙げられます。

カミングアウトする方としては、勇気をふりしぼって相手に直球勝負で挑んでいるような状態なのですが、カミングアウトを受ける方としては、心の準備ができていない時に、いきなりの告白に大きく戸惑ってしまうことでしょう。

カミングアウトは、相手の精神的な状態と、カミングアウト後のフォロー、受け入れの許容範囲などを事前によく確かめてから行う必要があります。

上手にカミングアウトする人は、時間をかけて、相手に「もしかしたら・・・」という気持ちを抱かせるような状況を作っておいて、煮詰まったであろう時点で実行に移すというパターンを使っているようです。

相手が「もしかしたら・・・」という気持ちを持つに至った時点で、カミングアウトした後に良好な関係を保ち続けることができるかどうかを、ある程度予測できるようです。

その時に、関係が悪くなることが予想されれば、その相手にカミングアウトするのを止めておくというのも一つの方法です。

私は、カミングアウトが必ずしも『善』であるとは言えないような事例も多く見てきました。

カミングアウトしたことを酷く後悔してしまった人が少なからずいらっしゃいます。

もちろん、逆にハッピーになった人も多くいます。

LGBTであるということは、決して悪いことではありません。ありのままの自分で相手に接したいと思う気持ちはとても大切だと思います。

相手のことを想えば想うほど、本当の自分を知ってほしい、嘘をつきたくないという気持ちになります。

しかし、それと同時に、大切な相手を傷つけたくないという気持ちも。。

カミングアウトは、告白の瞬間より、その後が肝心です。

自分と相手にとって良いカミングアウトになるか否か、カミングアウトの是非について、事前によく考えておかなければなりません。

少なくとも、カミングアウトする前に本音を語り合えるような関係を築いておく必要があるでしょう。

この国に、もっともっとLGBTに対する正しい認識が広がり、カミングアウトし易い社会になっていくことを願うばかりです。そのためには、LGBT当事者・支援者による権利擁護運動を絶えず推進していくことが重要です。

【カミングアウトに関するご相談もレインボーサポートネットまで⇒http://rainbow-support.net/

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2008年11月17日 (月)

ちょっと待った!友情結婚

最近、友情結婚に関するご相談が急激に増えてきました。ほぼ全てが友情結婚の解消に関してのご相談です。

どうしてそんな条件で友情結婚したの? なぜそんな相手と? もっと考える時間はなかったの?

と思わず聞きたくなるような内容のものばかりです。

相談者の中には、友情結婚をしたことをひどく後悔している方もおられます。

私が聞きたい疑問を、自分自身に問うておられるのだと思います。

友情結婚は、お互いが納得して、あくまでも『夫婦』という法律上のパートナーとして共に生きていくということをしっかりと認識していないと上手くいきません。

ただ世間の目を誤魔化すためや、親の手前、会社の手前…ということだけにとらわれすぎて、結婚するということが持つ意味を軽く考えているのではないでしょうか。

中には友情結婚生活がとても上手くいっているケースもあります。これはとても珍しいことです。

結婚生活が順調であれば何の問題もありませんが、ひとたび揉め事が起きると、大変厄介なことになります。

「ゲイとビアンが出会って、時間をかけて友情を育み、お互いのことをよく知った上で、真に夫婦になりたいと思って結婚する」⇒これが正しい友情結婚です。

夫婦としてセクシュアリティーに齟齬があるけれども、性的な関係が無いだけで、大切な人生のパートナー。

まるで友達の様な夫婦。だから「友情結婚」と呼ばれるのです。

友情結婚であっても、二人の関係を育んでいく時間と要素が必ず必要なのです。そうして結婚しようという段階に至れば、それはまさに法解釈上要求されている「婚姻の意思」に他ならないと思うのです。

ところが、「結婚」という形が欲しいだけで、相手は誰でもよい、形だけの関係を共有できればあとは関係ないという発想の友情結婚が横行しています。

これはもはや偽装結婚です。犯罪行為に該当する危険性があります。

友情結婚を斡旋するサイトも数多く存在するそうですが、そういったサイトの管理人は、犯罪の幇助行為を行っているかもしれないという認識はあるのでしょうか?

レインボーサポートネットでは、友情結婚の残念な現状を鑑み、原則として友情結婚をおすすめしません。

特に気をつけて欲しいパターンは、『ノンケ』との友情結婚です。このパターンはトラブルが絶えません。

相手のことが気に入らないので離婚したいけど、相手が離婚届にハンコをついてくれない。

離婚するなら、ゲイ(orビアン)だということを家族や会社にばらすと脅された。

裁判所の調停や裁判でセクシャリティーについて証言しないといけなくなった。

世をはばかるための友情結婚が、全く逆の効果をもたらしてしまうという皮肉な結果になります。

だから、安易な友情結婚はしてはならないのです!!

【LGBTライフ全般に関するご相談もレインボーサポートまで⇒http://rainbow-support.net/

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2008年11月 5日 (水)

LGBT風俗市場の現況

danger今回は性的な表現がある記事ですので、大丈夫な方だけ読み進めて下さい。

LGBT市場のうち、今日は風俗関連市場について書きます。

ゲイバー・ビアンバー・LGBT用マッサージ・ハッテン場・アダルトビデオ・アダルトサイト・ウリセンなどなど。

実はこういったLGBT風俗産業は、既にもう熟しています。

ゲイバーやビアンバーといった飲食系風俗店(風俗ではないのでは?と思われがちですが、経営形態によっては風俗営業法のカテゴリーに入ります)は、一般のバーよりも価格を低く設定しているところが多く、低い単価で客の回転が悪いので、なかなか利益を上げることができません。実際、新規参入の多くの店が3年経たずに廃業してしまいます。

ハッテン場は、周辺環境との場所的問題・賃貸の場合は契約上の問題・許認可の問題が基本的に付きまといますが、この他にも衛生上の問題やスタッフ確保の問題があります。基本的に都市部では既に飽和状態ですし、田舎では客が集まらずに廃業したケースが多々あります。

ウリセンは、スタッフ確保の問題・大手の寡占化・許認可の問題を基本として、客とのトラブルや他社のスタッフ引抜トラブルなどが多くあります。スタッフのクオリティーがある程度高くないと、客から見向きもされず、一度悪評が立ってしまうと相当経営に打撃を与えます。かなりリスキーな商売であると言えます。加えて、個人的に『ウリ』行為をする人も居ますから、事業としてのウリセンには競争相手が多いというのが現状です。但し、客用個室を設けない出張型の営業方式であれば、事業の運営資金はあまり必要ありません。

次にアダルトビデオ・アダルトサイトについては、既に飽和状態です。ビデオ(DVD)に関しては、海賊版や中古取引市場の存在により、よほどの良作でない限り大幅な利益を見込めない状況です。大手の寡占化の状態も顕著ですし、動画配信サイトの出現により、ビデオやDVDといった状態での販売は下降の一途を辿るでしょう。新規参入はあまりオススメしません。ちなみに、アダルトビデオ制作事業自体に許認可は必要ありませんが、販売するには許認可が必要です。動画配信においても同様です。

現在は上記の各種風俗産業を多角的に経営するLGBT風俗企業も出現しました。関東ではあの会社・関西ではあの会社といったように、地域的な独占化も伺えます。もちろん中堅企業が次の座を虎視眈々と狙っているのは言うまでもありません。また、特殊な業界ゆえに、ノウハウを吸収した後に独立して同様の事業を興す人もおられます。全く経験が無い人が参入するには、少しハードルの高い業界かもしれません。

LGBT風俗市場の今後は、急成長という状態には無いと思います。ある程度限られた市場規模の中で多くの業者が争っていく状況が続くでしょう。メディア系のLGBT風俗産業は、海外進出することで新たな魅力ある市場を獲得できるかもしれません。

どのようなLGBT風俗産業分野にせよ、今後進出するに当たっては、綿密なリサーチと事業計画、十分な資金が必要でしょう。LGBTという枠に拘らない事業形態の方が理想的ですが、風俗産業となるとなかなかそうもいかないのかもしれません。

余談ですが、顧問先のゲイビデオ会社によると、近年、女性のお客が増えているそうです(笑)

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2008年11月 1日 (土)

LGBTの老後

老後の人生設計というのは誰にとっても大切なことですね。

若いうちはあまりピンと来ないでしょうが、社会人になり、保険や年金について考える機会が増えるようになると、自分自身の老後についても少しずつ考えるようになります。

さて、LGBTの皆さんは自分の老後についてどのように考えているのでしょうか?

永遠の愛を誓い合ったパートナーがいる人の場合、『お一人様』として生きていく覚悟を決めたという人の場合、老後は海外脱出しようと考えている人の場合などなど、人それぞれなので、一概に老後の人生設計を語ることはできません。

ただ、どういう状況であっても、老後を安心して過ごすには、それなりの貯えが必要になります。

LGBTの皆さんの多くの方は、自分の子供に老後の世話を託せるという状況にはありません。

ですから、自分自身の老後は自分で考えて備えておかなければなりません。

年金や保険、投資や貯蓄にLGBT当事者の皆さんの関心が非常に高いのにも納得できます。

『蟻とキリギリス』の話がありますが、蟻の精神でしっかりと先を見据えて備えていただきたいものです。

残念なことですが、何の保証も無く、中には無年金状態であったり、大変苦しい老後の生活を強いられているご年配のLGBT当事者の方も居られます。「若い頃、もう少ししっかりしておけばなぁ」と後悔されている姿を目の当たりにするたびに、本当に虚しい気持ちになります。

若いうちから、LGBT当事者の方には、長いスパンでの自分のライフプランを立てて、幸せな人生を全うして頂きたいと願うばかりです。

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